違憲法、安保法制のごり押し可決を強く非難し、抗議する
2015年9月17日
民放労連関東地方連合会
執行委員長 渡辺 豊
安倍政権、及び自公両党、日本を元気にする会、新党改革、次世代の党は、9月18日、参議院本会議において、安保法制を数の力で押し通すという愚挙に出た。国会で質疑を尽くせば尽くすほど、法案の欠陥が浮き彫りになり、安倍政権は質疑にもまともに答えられないばかりか「私は総理大臣なんですから」と傲岸不遜な態度を見せ、再三、総理大臣という立場にも関わらず野次を飛ばすなど、国民をあ然とさせた上での可決である。審議と言っても、全く質問者と政府の答弁はかみ合わず、何度もストップしながら時間だけを浪費するアリバイ作りのためのものであったのは、そのやり取りを見れば火を見るより明らかである。
日本の審議より先に、アメリカの議会で「安保法制の夏までの成立」を約束するなど、国会軽視の姿勢も甚だしく、さらにアミテージ・ナイレポートの内容をそのまま遂行するなど、アメリカの言いなりの法案である。
その間、多くの学者、元裁判官、元法制局長官らから、違憲法案の指摘を受け、また法的安定性を欠くとされながら、集団的自衛権とは何の関係も無い砂川判決、そして「集団的自衛権は行使できない」とした1972年の政府見解を真逆に意を取り換え、それらを根拠として無理やり「合憲」とする、誰から見ても破たんした論理を数の力のみで押し通してきた。
最初はホルムズ海峡などの例を出し、集団的自衛権の行使を容認させようとしてきたが、それがあまりにも荒唐無稽であることが分かるや否や、中国の海洋進出などを挙げ、法案の必要性を強調した。しかし、中国に対する自衛は個別的自衛権で対応する問題である。それではなぜ集団的自衛権が必要なのか。それはアメリカの戦争に参加するためである。既にアメリカは安保法制の成立を前提として4万人の兵力削減などの予算を立てており、日本にその分を肩代わりさせるつもりでいる。アメリカの戦争の片棒を担がされているに過ぎないこの法案を、あたかも日本の平和のために必要だと主張する安倍政権の詭弁は、国民に対するだまし討ちでもある。
またこの安保法制の恐ろしいところは、70年間続いてきた平和国家日本を経団連の要請に応えて武器商人の国にしてしまうことである。既に、きつく戒めてきた武器輸出は、骨抜きにされ、経団連はさらなる武器輸出を成長産業としようとしており、安倍政権は安保法制により、これを拡大しようとしている。日本の生産した部品の武器により、人殺しが行われ、子どもたちは未来を失われる。人殺しと戦争による経済成長。武器輸出という悪魔のような行為は既に戦争に参加しているも同然である。
日本、及び自衛隊は、70年間、多くの人の命を救うことはあっても、人の命を奪うことは無かった。むしろ地雷禁止条約などにより、残酷兵器を絶滅しようとしてきたのが日本である。
今回の明白な違憲の安保法制の成立は、平和国家として世界に名高い日本の終わりの始まりであり、日本を「戦争する国・戦争できる国」に造り替えようと舵を切った安倍政権の退陣を求める。 以 上